おごらず、おもねらず、おもてなし~松山が素敵すぎて道後温泉未遂 vol.1

松山は愛媛県の県庁所在地。これが私が知っていた、松山のすべて。
……というのはウソで、なんとなく「愛媛市」があるような気がしていた……。
そんな松山に、仕事の打ち合わせで行ってきました。
時間があったので、トリップアドバイザー「日本の城」カテゴリで常に上位に入る松山城へ行ってみると、
街をふくめ、まあ、広報が素晴らしい。
まるで、行政広報じゃないみたい(←コラッ)。
「ぜひ、キョロキョロしてください」
台風チャーミーが近づくなか、初松山。
ともかく、駅の観光案内所へ。ハッピを来た陽気な男性が、「とりあえず松山城へ行かれるなら、ここで電車を降りてください。食事はどうされますか? 鯛めしならこことかですね」……と説明しつつ、最後に「まあ、ぜひキョロキョロしてください」と締めくくり。
「キョロキョロしてください」っていう観光案内、初めて聞いたなあ。
で、おすすめ通りにキョロキョロしてみました。
正岡子規の句。市民のことば。観光客のことば。街には、ことばが溢れてました。
すごいなあ素敵だなあ、と思いながら、袴の女性に導かれて松山城に登ると、「ことばを大切にするまち・松山」という宣言がありました。
なるほど。
トリップアドバイザー上位の「おもてなし」、その極意。
松山城は、まっとうなお城でした。
苔むす石垣、桜、○の丸、○○櫓……ザ・お城!
ちなみに江戸時代以前から残る天守があるのは、日本で12カ所だけだそうです。
そんな、まっとうなお城は、まっとうに紹介されていました。
靴を脱いで内部をまわり、歴史や由来を学ぶ途中に、鎧兜(そしてなぜかハゲヅラ)の試着コーナー。
最上階では、昭和40年代につくられた(それ自体が歴史的遺産のような)紹介ビデオが流れる「どうしよう……」な場所が、実は好きなだけ座ってくつろげる場所になっていて、実は当時のサムライと同じ目線で城を体感できるようになっていたり。
緩急のつけ方が、すごく素敵。
おごらず、おもねらず、おもてなし。
節度があり、敬意がある。
ちょっと、松山市の観光の方と、松山観光コンベンション協会の方に、本気でいろいろ教えていただきたい!!
(なに? この充実感……)
で、一句読みました。
現地でのミーティングも終え、さあ、ちょっと噂の道後温泉でも……とネットを覗くと。
「■9/30 JR四国 瀬戸大橋線 特急列車 始発から運転見合わせ」
げ。明日、橋渡れないのか。「この橋渡るな」だって、一休さん。とんちんかんちん、えーい泳いで渡ればいいか!
……というわけにもいかないので、道後温泉を横目に、脱兎のごとく荷物をまとめてダッと帰路に。
到着早々の松山駅設置「俳句ポスト」に投函した歌を、恨み節でうたいつつ。
松山や ああ松山や 松山や
アディオス松山、またすぐ来るばい!
▼松山市産業経済部観光・国際交流課(http://matsuyama-sightseeing.com/guidance/)
「この節度を見よ!」
もうね、この「愛」と「敬意」に首ったけです。
▼松山城(http://www.matsuyamajo.jp/)
誠実な「おもてなし」。
松山城、裏もないけど、おもてなし……と、意味なく五七五にしたくなる!