兵庫県の防災の取り組み

今年は阪神・淡路大震災から25年が経ちました。
兵庫県は災害対策のために様々な取り組みをしているのですが、公共の防災・減災の取り組みはなかなか見えにくいので、わかる範囲でまとめてみようと思います

防災にどれくらいお金をかけているの?

兵庫県の予算編成の基本方針には8本の柱があり、その3本目に「安心安全の確保」が掲げられています

③安心安全の確保
風水害や地震などの自然災害等から県民の安全安心を確保するため、防災・減災対策を総合的に推進する

2019(H31)年度の予算編成について

この方針を元に、2019年(H31)年度の当初予算が組まれています。
防災・減災の項目をこの予算書の「平成 31 年度 県政の重点施策」(48ページ以降)から探してみると
「1.安全安心な基盤の確保」→「1 地域の安全基盤の強化」の項目が主に当てはまりそうです。
(当初予算のみから計算。補正予算は含んでいません)

全体予算の約6.5%

H31年度当初予算の項目「地域の安全基盤の強化」

計算してみると約1,261億円※
一般会計がおよそ1兆9,354億円なので

兵庫県の防災・減災関係の予算は全体の約6.5%です

金額が読み取れる項目だけで54施策もあり、割り振られている金額は数百億〜数万円まで様々です。
内容は例えば以下のようなものです

  • ひょうごインフラ・メンテナンス10ヶ年計画の推進(約244億)
  • 南海トラフ地震に備えた津波防災インフラ整備計画の推進(約78億)
  • ひょうご住まいの耐震化の促進(住宅耐震化補助)(約2.2億)
  • 合同防災・津波一斉避難訓練の実施(約400万円)

※この年は「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」で国から各都道府県に予算が降りている(約230億円)ので例年より予算が増えています。
※H31年度当初予算の項目「地域の安全基盤の強化」(48〜89ページ)を合計

防災・減災費が他の地域より手厚い

予算の占める割合6.8%がすごい…かどうか良くわからなかったので
他の都道府県の予算と比較してみました

東京都の平成31年度東京都予算まるわかりブックを読んでみると、10ページの「気候変動対策① 」が該当しそうです。
この項目が約1700億円

東京都の防災・減災関係予算は一般会計の約2.3%でした。(見落としてたらスミマセン)

国家予算の場合でも、国の予算図解を紹介しているこちらの記事を参考にすると
重要インフラの防災面で1.3兆円、全体予算の約1%でした。

県職員の方とお話ししていると、よく「震災を経験した兵庫県は防災に力を入れている」というお話を耳にします。
具体的な数値はこうして調べるまで知りませんでしたが、25年も防災に対して力を注ぎ続けている県なので、職員の皆さんもそういう意識が刷り込まれているのかもしれません。(参考程度の比較情報です、他の地域の防災意識が低いという意味ではありません)

見えていない予算もある

これは施策ベースで計上されている予算ですので、厳密に防災に関わっている全ての予算を網羅できているとは言えません。

例えば施策に関わる公務員の人件費は別計上ですし、地域コミュニティの形成などは「共助」の意味で減災に繋がることを考えればこれも防災予算と取れると思います。

防災・減災の取り組み事例

災害は守れて当たり前

と、極端な物言いではないにせよ
災害は未然に防げたニュースより起こったニュースの方が多く目にすると思います
普段あまり取り上げられることのない県の防災・減災の取り組みを紹介します。

人知れず効果が出ている防災事例

H29年の台風で予測水位が0.7m下がった

市川対策

市川の河川の幅を削ることで水位を下げた施策。
平成29年に発生した台風18では、そのままでは橋梁桁下0.2mまで上がると予想された水位をさらに0.7mも下げることに成功しています

市川(姫路市)で河川改修の効果を発揮 船場川(姫路市)

西日本豪雨で、土砂を砂防ダムが防御

宍粟市の透過型砂防ダム

砂防堰堤が土石流・流木を捕捉(兵庫県宍粟市波賀町小野)

兵庫県宍粟(しそう)市の砂防堰堤(えんてい)、通常の砂防ダムではなく、水流を流して流木だけを受け止める「透過型砂防堰堤」を設置。

西日本豪雨として有名な平成30年7月豪雨で発生した土石流を受け止めました。
この様子は神戸新聞でもニュースになっています。

4×4本の基幹道路ネットワーク

基幹道路八連携軸について

兵庫県は日本のほぼ中央に瀬戸内から日本海まで横たわっているので、交通の要衝となっています。
これらのネットワークを整備することは以下の役割を持っています

  • 緊急輸送機能の強化
  • 大型車や通過車両を生活道路から分ける
  • 産業や交流の活性化

総距離918kmの道路のうち、2018年4月現在で752km(全体の約82%)が完成しています。
未だに基幹道路ネットワークが繋がっていない未整備の地域に対して2050年を目標に整備を進めています。

ため池の数日本一、だから日本一気を遣う

加古大池(加古郡稲美町)

兵庫県はため池の数が日本で一番多いです。
その数約24,000箇所、実に全国のため池の15%を占めています。

ため池は農業用水の確保や生物多様性に貢献する重要な資源ですが、豪雨による決壊などの災害リスクを持っている場合もあります。

2019年に国が「ため池管理保全法」を作りましたが、兵庫県ではそれに加えて、災害リスクのあるため池を「特定ため池」に指定する条例を作りました。
この取り組みは日本では初めての試みだそうです。

その数5,540箇所

特定ため池に指定された持ち主には、必要に応じて改修命令を行えるようになっています。
この様子は神戸新聞でもニュースになりました。

兵庫県では特に緊急性が高いため池を2019年から5年間かけて整備していく計画も立てています。

災害時には他県とも助け合う

兵庫被災地支援派遣

画像:「平成28年熊本地震への対応」から引用

2019年度予算には「東日本大震災、熊本地震被災地及び岡山豪雨災害への継続支援」という項目があります。
つまり他県の災害にも積極的に支援を行なっています。

  • 東日本、熊本、岡山、北海道など計108人を被災地に派遣
  • ボランティアバス派遣や、ボランティアグループへのバス経費支援(約50台)
  • 兵庫県に避難した被災者の生活や就学支援(51人)

県公式の地震保険:フェニックス共済

フェニックス共済

フェニックス共済(兵庫県住宅再建共済制度)は兵庫県が独自に展開する地震保険サービスで5000円/年で最大600万円を出してくる保険です。

  • 地震、津波などあらゆる災害が対象
  • 築年数や構造、規模に関係なく定額
  • 他の保険と併用可能

普通の地震保険では半額までしか補えない

通常地震保険を適用すると、最大でも半額までしか保険適用されないようになっているそうです。

これは大規模災害が起こった際に保険会社がパンクしないための保護機能?なのですが、フェニックス共済はその十分じゃない再建費用を震災で集まった義援金で補ったことが始まりと言われています。
これは兵庫県ならではの取り組みで、個人的にも素晴らしい取り組みだと思います。

▶兵庫県住宅再建共済制度(愛称:フェニックス共済)
http://phoenix.jutakusaiken.jp/index.html

 

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