本屋はなくなるのか?

広報専門員の清水奈緒美が経営商業課で「商店街の振興」を担当する中島淑子さんにお話を伺いました。

 

商店街は、“まちの元気を示すバロメーター”と言われる。神戸市内でもシャッター商店街がある一方で、三宮や元町商店街のドラッグストアには免税レジが備えられ、多くのアジア人が並んでいる。そして今、世は“大キャッシュレス化”時代。今回、お話した中島さんは、まさにタイムリー!=商店街店舗のキャッシュレス化や、施設建設・改修の助成事業を担当する。買い物に来る人が変わり、買い方が変わっていく昨今、果たして商店街は‥もっと言うと、店舗を構えるというスタイルのまちのお店は生き残っていくのだろうか。中島さんと話し合った。

子育て支援や担い手支援…時代によって事業もさまざま

現在、県内の商店街・小売市場の数は663。その多くは阪神間に集中している。県でも商店街のにぎわいづくりを支援しており、その施策は実に多様。ソフト・ハード、子育て支援や地域の交流拠点、担い手支援など、多方面からのアプローチがある。「時代や課題によって、事業もどんどん変わっています。既存の商店街を応援するだけでなく、例えば今は、買い物に行けない“買い物弱者”のための移動販売を補助するというものもあります。でも、これもドローン配達が普及すると、また別の支援メニューになるかもしれませんね」と中島さん。

キャッシュレス化の研修会では、みなさん、熱心ですよ!

商店街の魅力をアップする施設改修事業の身近な例では、三宮センター街の地面に埋め込まれたモニュメントなどがある。(珊瑚などが足元にあるアレです!)そして、今、取り組んでいるキャッシュレス化。決算事業者は優に100を超えているという。そのため、県では導入のための研修会を開いたり、端末購入のための助成を行ったりしているところだ。「商店の方達は、とても勉強熱心ですよ。やっぱり、キャッシュレスに対応しているか、していないかで売り上げが変わるので、みなさん前向きですね」。

 

モノを買っているだけではない。商店街の“良さ”って…

商店街のライバルといえば、昔はデパートやスーパーだった。中島さんも幼少期、“大型スーパー建設反対”の看板を見たことがあったそう。そして、今のライバルはもっぱら通販だろう。「商店街の良さの前に、店舗で買い物をする利点が大事になってくる」と中島さん。だが、今は、試着の必要な服や靴でさえ、家に届いてから試着ができる。私もしばらくお店での買い物から遠のいていたが、最近「いい買い物したな」ということがあった。店員さんと「あぁでもない」「こうでもない」と試着とやりとりを繰り返して、店員さんが持ってきた商品に落ち着いた。「なんか、いい買い物できました」と私。「楽しかったです」と店員さん。ふたりで謎解きをした気分だった。

「検索だけでは、分からないこともありますよね。モノを買っているようで、モノだけを買ってないというか。さらに、商店街は『ここって、おもちゃ屋さんだったよね』とか、歴史があればあるほど、みんなの思い出もある。人通りがあることで、防犯にもなったりしますし」と中島さんは続ける。対面ならではのサービスが可能なショップ、美容院や整体などは生き残っていくのだろう。

では、本屋は…。「電子化×重い×どこでも同じものが買える」の三重奏。難問だ。だが、きっと本屋も同じことだろう。例えば、店員さんの感情ゴリ押しのポップで、本との出合いを広げてくれたり、モノを売るようでモノだけを売っていないところにひとつ、生き残りのチャンスがあるのかもしれない。

 

 

取材 兵庫県広報専門員 清水奈緒美

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