きっと、麒麟がいる

広報専門員の清水奈緒美が、丹波県民局 地域振興課で「明智光秀ゆかりの地魅力発信事業」を担当する田中郁羽さんにお話を伺いました。

今年の大河ドラマ「麒麟がくる」。丹波地域も、ドラマの主人公・明智光秀ゆかりの地なので、そういう目で放送を楽しみにしている人がたくさんいらっしゃる…といいのだが。地元の盛り上がりはどうなのか、丹波県民局の田中さんを訪ねた。

 

光秀グッズに武将キャラののぼりも

「大河ドラマの放送前から、丹波篠山市や、丹波市、観光協会、自治会さんなどがそれぞれ、チラシやWebサイトを作ったり、ハイキングや講座を行ったり、クッキーやせんべいなどのお菓子を販売したりと、いろいろされてますね。

 

売れ行きもいいみたいです。県民局では、丹波市のイラストレーターが描いた3人の武将(明智光秀、赤井直正、波多野秀治)の等身大パネルやのぼりを作ったりしています」と田中さん。武将パネルは、戦国モノのゲームキャラを彷彿させる、完全“二次元”のなんともかっこいいデザインだ。のぼりも、その武将キャラをちりばめてデザインした。「道の駅や県立施設にのぼりを置いてるんですが、のぼりを見るのがうれしくて、全部の場所を見に行きました(笑)」。

西紀サービスエリアではためく、のぼり

 

光秀が攻めて、後に平定した丹波地域

ところで、丹波と明智のつながりとは。織田信長から丹波平定を命じられた明智光秀は、赤井直正の居城・黒井城を攻めるも、八上城を本拠とする波多野秀治の裏切りもあり敗れる。だが、後にその黒井城・八上城などを落城させ、丹波攻めは終焉、丹波平定となる…とのこと。「丹波攻めの過程で、その黒井城と八上城を分断させる場所に、明智は『金山城』という山城を作ったんですが、昨年は県民局の地域ビジョン委員会で、その3つの城からのろしを上げるというイベントがありました。甲冑着て、のろし上げて、けっこう盛り上がりました。本当に山向こうののろしが確認できたんですよ!」と、うれしそうな田中さん。

 

 

そういったイベントのおかげもあってか、丹波の山城への登山者は、前年と比べものにならないほど増えたという。「でも、大河ドラマでは、丹波の武将はキャストも発表されていないので、出てこないかもしれないですね。来年度は、大河ドラマに関連した新番組もラジオ関西で始める予定ですし、あちこちから観光客が押し寄せるブームとまでならなくても、丹波を新発見してもらえるきっかけになったらなと思います」。

 

五国を巡って、“純粋にひょうごって広いな~”

県職員2年目。大阪府出身で、京都の大学に通っていた田中さんは、採用説明会で担当者が発した「兵庫にはこういった課題がある。一緒に解決してくれる人を求めている」、その言葉で兵庫県への受験を決めたという。「変わった特技とかがある人間ではないんですけど‥」と控えめにお話されてはいたが、実は、内定を受けてから全県民局を巡る旅をした、なかなかやる女。「家族と、いろいろ見に行こうか、おいしいもの食べに行こうかって、本当にお遊び感覚です。『但馬って雪が降るのか。どんなとこだろう』って但馬へ行ってみたら、すごくいいとこで。『但馬勤務、やっていける!』と確信して、で、淡路へ行ってみたら、奇跡の星の植物館は楽しい、洲本の庁舎もきれいでびっくり。『ここでも、やっていける!』と確信して。実際に巡って、純粋に、ひょうごって広いな~!と思いました」。

 

まちを知って、人を知れば…きっとそこには麒麟が

丹波暮らしの今も、田中さんは、行動力はそのままに、週末は水分かれ公園に行ったり、地元の伝統儀式「鬼こそ」に参加してみたりしているそうだ。「大きいショッピングセンターがないとダメっていうタイプではなくて、地元のおいしいもの食べて地元のイベントに参加してってしたい方なので。何不自由なく丹波ライフ、送ってます!」と田中さんは話す。そして、丹波に来て、一番驚いたのが、「小・中学生があいさつをしてくれること」だったとか。なるほど、それは、生活してみないと気づかないことかもしれない。田舎育ちという点でエリートの私。すれちがう人には漏れなくあいさつをしていたので、自分が褒められた気がしてうれしくなった。

麒麟は平和な世に現われる幸せの聖獣とされている。自分が住まう土地で、好奇心をもって足を広げる、いいとこ探しをする、地元の人と言葉を交わす-。そうして息づくように暮らせば、地域と人を肌で感じることができる。都会だろうと田舎だろうと、そこが第2、第3のふるさとになろうと、きっとその暮らしには麒麟がいることだろう。

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