vol.026 3人の妊婦たちの記録「母は強い!?母だから強い!? 」

妊婦の友人からちょくちょく聞く、コロナ禍のイレギュラーな出産体験。
おおよそ、「大変なんだろうな」と想像こそしますが、実際のところ妊婦はどんな経験をしていたのか。
コロナ禍で妊娠、出産を経験した母たち3人と座談会をしました。

 

メンバー


高曽根里恵さん
姫路市在住。テレビ局、県庁勤務を経て現在フリーアナウンサー。コロナ禍の2021年2月に第二子を出産。

Kさん
神戸市在住。県庁職員。県のコロナ対策を発信する。2021年9月に第二子出産。

Yさん
西宮市在住。会社員・研究職。筆者とは高校時代からの友人。但馬での里帰り出産を希望し、病院から一度断られるが、同院で2021年1月に第一子を出産。

清水奈緒美さん(筆者)

 

まずは、一斉に「はじめまして~」でオンライン座談会がスタート。

 

【妊娠中】 ひとりきりの健診。ベビー用品の買い出し。コロナ禍の通勤。

里恵さん 健診の時は、どうでした?旦那さんと一緒にエコーを見られましたか?
Yさん 全く一緒に見られませんでした。待合は子どもは一緒に入れても、妊婦の親とかの付き添いは、「外で待っていてください」という感じで。なので、私も、自分の母親には一度も付き添ってもらったことはありませんでした。
里恵さん 旦那さんと一緒に心拍を聞いて、「あ、動いてる」とか、生まれてくる子を見守る体験をできないのが、特にそれが一人目の出産だとすごく寂しいなぁと…。
Yさん そうでした。私の妊娠が分かったのが、2020年の5月くらい、ちょうど1回目の緊急事態宣言下で。確か、日本産婦人科婦学会で「コロナが流行っているから妊活は勧めない」って言われた時でした。
里恵さん あったあった。
Yさん 赤ちゃん用品を買い揃えるのにも、「今、買い物に行っていいんだろうか」って悩みました。ちょいちょい店舗で買い物ができましたけど、西宮ガーデンズとかも閉まっていたので、「ほとんどネットで揃えた」って感じになって。やっぱりかわいい服見てキャッキャしたかったですね。
里恵さん それが楽しいのにね。私は通勤ラッシュから長らく離れているので、「コロナ禍の通勤電車って危険なんじゃないか」と思っちゃってたんですけど、それでいて、さらに妊婦という状況なら、みなさん、なおさら通勤電車は恐くなかったですか?
Kさん 私は自分が「妊婦だ」っていう意識がほぼほぼなくて、毎日満員に近い電車に揺られてました。変なことを言うと、この仕事をしていたからこそ、電車通勤への危機意識はそんなになかったのかもしれないですね。私は、県のコロナ関連の広報、発信を担当しているんですが、コロナに対して何が恐いのかという部分と、逆に「コロナ禍の初年度と比べると、そこまで過度に恐れる必要もない」という専門家の意見も発信していたからかもしれません。
清水 里恵さんは、かなり鉄壁の自粛生活をしてましたもんね。
里恵さん 神戸と姫路とでは温度感がちがって、「大阪、神戸の感染状況は危険?!」って思っちゃってました。
Kさん 妊娠後期は感染リスクがあるとも聞いていましたが、「ま、高齢の方も電車に乗っているし、リスクはみんな一緒やん」って思っている部分もありました。
Yさん 里恵さんがおっしゃった「地域によってコロナの温度差がある」っていうのは私も思っていて、主人の会社は神戸にあって、主人もテレワークを積極的にしているんですが、会社全体で見るとそうでもないらしいので。あと、私は但馬の総合病院で出産したんですけど、そこは“地域医療の砦”っていうこともあって、最初は「なんとか住んでいるところ(西宮市)の近くで出産できないか」って言われたりしました。産後の面会も、病気で入院されている方との面会も、最期のお別れも、全ての面会が禁止されていました。

 

【出産時】 大部屋でも「おはようございます」って言えるだけで。

 

清水 出産の時ってマスクするんですか?
里恵さん しました。帝王切開の術中だけですけど、しました。
Kさん はい。出産前の「母親学級」とかがないので、その代わりに健診の合間にタブレットを渡されて、「これを見て、今の出産の流れを知っといて」と、マスクをしながらの分娩の映像を見ましたが、「しんどそうだけど、するんだな」って覚悟をしました。
里恵さん 私、一人目の時は入院は個室で、コロナ前だったので、みんなお見舞いにも来てくれて、「個室だからのびのびできるし、人と気兼ねなく話もできていいなぁ」と思って二人目も個室希望だったんです。でも、実際、個室が空いてなかったので、大部屋になって。母児同室の病院だったので、「他の赤ちゃんもワンワン泣くしで、夜中眠れないよ」って聞いてたから、「うわ、しんどいやろな」と思ってたんですけど…。結果、「大部屋でよかった~」って。
清水 なんでですか。
里恵さん 私、帝王切開だったから入院は9日間で長くて、「誰もお見舞いに来てくれない」「たまに来る看護師さんとしかしゃべらない」という状況って、想像するだけで辛いものなので、実際、他の人の声が聞こえて、「独りでない」と思える、それがすごく精神安定につながったので。同じ部屋の人と「おはようございます」ってあいさつするだけでもちがったので、言葉を発するのがすごく大事って実感しました。

 

【産後】 “会ってもいい状況の線引き”って…?

里恵さん 私、出身が徳島なんですけど、県をまたげないっていう時期も長くて、産後、自分の両親が孫と半年以上も会えていなかったので、「いつ会えるんだろう」っていう不安はありました。県をまたげないから来られないし行けないし、両親も75歳という年齢で、健康面でも不安があるから。
Kさん ご両親とはテレビ電話とかは…?
里恵さん テレビ電話はしました。でも、ふにゃふにゃっとしてるかわいい時期に抱っこしてもらいたかったです。
Yさん 私は産後1ヵ月半ほど実家にいたので、自分の親は赤ちゃんと会えたんですけど、主人の親はずっと会えなくて。今が一番かわいいので…まぁ、結局ずっとかわいいんですけど(笑)、ほんとに小さい時って一瞬じゃないですか…。小さい頃は人見知りもしないので、いろんな人に会ってほしいなって。
清水 Yさんや、里恵さんのとこに赤ちゃんを見に行くのも、「いつなら『会おう』って誘っても非常識じゃないやろか」って思ってました。
里恵さん そうですね。人と会うのも、すごく気を遣う。

 

里恵さん 私、「心が狭くなったんかな…」って悩んでいたことがあるんですけど。小さい子を連れていると、道端でおじいちゃんおばあちゃんが、「かわいいね」とか「あ~こんにちは」って、子どもの手を触ったり、頭なでたりとかしてくれるんですよね。今までは、めちゃくちゃうれしくて、「3カ月になりました」とか「この辺に住んでるんですか?」とか、お話するのがすんごく好きだったのに、やっぱり今はちがって、「あ…触った…」って。そう思ってしまう自分も嫌です。
Yさん 私の近所の人は「触りたいけど、我慢するね」って触るのを控えたり、遠くから話しかけてくれたりするんですけど。私はもともと、「ママ友0人」を貫いてしまっていて、子育ての話とかを人と共有ができていないという状況です。「ママ友0人は、私の性格的にデフォルトなんかな?」って思ったこともあるんですけど、多分そんなことはなくて(笑)。友達も、病気をうつさないよう気にしてくれているのもあって、自分から「来て」とも言えにくいので、そこら辺の寂しさはあります。

 

【育児】 母親学級がなかったディスアドバンテージも

里恵さん コロナで「母親学級」とかがないので、一人目育児の方は大変だろうなと思うんですが、どうですか。
Yさん そうですね。私は離乳食の初めがめちゃ適当でした。本から学ぶのと人から教わるのとではやっぱりちがうので、母親学級がないディスアドバンテージはけっこうありますね。
里恵さん 離乳食を「本を読んで理解する」って難しいですよね。私も離乳食の本を1冊読んでみたんですけど、感覚的には分からなくて。あと、赤ちゃん用品店の「ハーフバースデー」とか「ハイハイレース」とかって、ありがたいのに、そういうのもなくなってますよね。児童センターも、今は開いているけど、緊急事態宣言で閉まってた時は、行くところがない。2歳3歳って、エネルギーがあり余ったりするので、外で遊ばせたいけど、道ばたで花摘むとか、そういうことでしか時間がつぶれなかった(笑)。
清水 お花を摘む…(笑)。


里恵さん 子育ての相談をしたくても「誰にすんねん」っていう時期がずっとあって。私、一人目の子育て中にメンタルも弱った時があって、児童センターに行ってママ友ができて、「全然寝ないんです、みなさんどうしてますか!?」と悩み相談をして、気分が晴れたんです。子育てって本当に一人じゃできなくて、子どもが泣き止まない、寝ない時って、「助けて~!!」っていう状況で、それをどこにも出せない辛さはありましたね。
Kさん 私も、一人目の時は、近所の地域福祉センターをめっちゃ活用してました。民生委員の方とか、地域のおじいちゃんおばあちゃんが集まって、「地域ぐるみで子育てしていこう」っていう場が月2回くらいあって。その時、引っ越ししたてというのもあって、けっこう通っていましたが、コロナ中はそういう場もなしで。あと、いろんな親子が集まれる幼稚園、保育園のオープンスペースとかもなくなりましたし、通っている保育園のイベント自体もなくなりました。なので、“2歳児の思い出”っていうのが、長男はけっこうなかったりしますね。土日のお出かけとか、いろいろな企画イベントとかを通して、「あぁ、ここまでできるようになったんだな」と成長を目に見て感じれたりすることもありますし。
清水 1年目、海に行って水が恐かったけど2年目は…とかですか。
Kさん そうです。「2度目の海水浴は海に入れたし、水に顔までつけられるようになったね」とかを一切できてないので。言葉は増えていっているのはもちろん分かりますけど、ちょっとした行動で、できるようになったことは、多分保育園の先生の方がよくご存じで、親として知らない部分があるんだろうなと。

 

【コロナ時代の幼児】 3歳。手洗いは人に教えられるくらいできます(笑)

Yさん 保育園でのマスクは、どうなっているんですか。
Kさん 登園の時は着けます。病院は着用年齢の区分がさまざまで、「受診時は、2歳以下でも着けて」っていう院もあるので、病院に行く前に、病院HPのお知らせ欄で着用の要不要を確認して、という感じです。なので、小さいマスクは常にかばんの中に入れていました。
清水 コロナ禍で、「もしかすると、子どもも我慢してることあるのかも」って感じることはありますか?
Yさん うちの子に関しては、今はまだ意志の疎通ができないので、分かりませんが、親として「外に連れて行ってあげるべきやろうな」っていう思いはあります。


里恵さん 「お友達の家に行く」とかはできてないので、「そういうのはしたいだろうな」と思いますけど、子どもって結構順応性があって、「これはね、今、病気が流行っているからダメなんだよ」って言い聞かせると、「そっかぁ、コロナァ?!」って答えるんです。今の子どもって、手洗いは、爪の中はもちろん、手首まで洗うとか、「親指の付け根をくるくる」とかできるし、「手を洗った後は消毒だよね」って言うし、結構順応してます。
Kさん うちは、「今年は、七夕ないのぉ?」「笹しないのぉ?」って言ったことはありました。あと、手洗いは、保育園で習ってくるのもあってか、人に教えられるくらい完璧にできます(笑)。

 

【ワクチンと情報リテラシー】 受け取る側の情報リテラシーを想像する

清水 Kさんは、この中で唯一、妊娠中のワクチン接種者ということになるんですよね。
Kさん そうですね、私は妊娠中に2回打ちました。7月からの産休に入る前は、「副反応も恐いし、熱が出たら胎児はどうなんねやろ」と、漠然と思っていて、「打つなら産後かなぁ」と考えていたんですが、自分の母親がワクチンへの不安が強いので、「自分の母に産後、手伝いに来てもらう間は、なんか自分はワクチン打ちに行きにくいな」とか、「産後は体力も落ちて寝不足やし体力的にしんどいなぁ」とか考えたら、「打てるのは産前かもしれん!」と急きょ考えを改めました。でも、当時は「ワクチンが足りないから予約もキャンセルに」という後だったので、国と県の大規模接種会場のキャンセル待ちの予約をしたりして、結局8月に、1回目接種に大阪の自衛隊の大規模接種会場に行きました。
里恵さん へぇ、大阪まで。
Kさん その頃は、日本産婦人科学会の発表を見ても、「ワクチンを接種することのメリットが、デメリットを上回る場合(希望する妊婦は接種可能 )」というふわっとした書き方しかなくて、何が正解かは分からなかったです。
里恵さん そうそう!あれしか書きようはないんでしょうけど、「あなたが考えてあなたの責任で打ってね」ってことですし。
Kさん 私もいろいろ調べました。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、「妊婦へのワクチン接種の調査は進んでいるけど、接種は個人の判断です」と書いているので、産院の先生に相談したんですけど、「打ってもいいけどね~」みたいな感じでした。その時、自分は妊娠35週の終わりで。調べたら「赤ちゃんも肺とか以外は体ができてるだろう」という頃だったのでワクチンを打ちました。
里恵さん きっと熱、出ましたよね。
Kさん 出ました、出ました。2回目接種後に高熱が出て、次の日から寝込みました。 私、頭痛持ちで妊娠中に処方されていた解熱鎮痛薬があったので、発熱後はその薬を飲んでました。

清水 お話を聞いていて、「学会のHPとか、専門的な情報をみなさん見てるんだなぁ」と思いました。テレビとかって正しい情報がほとんどなんでしょうけど、表面をすくって言っているところもあるから、だから、YouTubeとかで調べる人もいて。その時に「情報元がどこか」っていうのは、自分も気をつけないといけないし、県としても情報の開示はどんどんする必要があるなと思います。
Kさん 私とか清水さんもですが、情報発信をする際には、「情報収集して、それから、伝えることを精査して」ということをするんですけど、自分の周りに「ワクチンは恐い」っていう人がいるのもあって、コロナ関連の発信は本当に悩みます。受け取る側にリテラシーが求められるのはもちろんですが、逆に発信する側には、受け取る側のことを想像する力も求められているなと思います。
里恵さん 私、以前、テレビ局に勤めてましたけど、昔は「テレビから流れてくるものは正しい」と受け止められることが比較的多かったかと思うんですが、今はYouTubeとかいろんなメディアもばんばん出てきて、中には根拠の無い情報もあるとなると「テレビで流れることも嘘なんじゃないか」って思う人も出てくるのかもしれませんね。情報を精査できる人はいつの時代でも大丈夫なのかもしれないですけど。

 

【私を支えたもの】 もう待つだけは飽きた。キャリアを生かして今できることがある。

Yさん 私、妊娠中、8ヵ月頃に帯状疱疹が出て、薬も飲めなくて、ただ痛みと闘っていたんですけど、「この子がいるから」と思ってがんばれたことがありました。
Kさん それで言うと、私は、やっぱり家族と会話して考えていることを共有できたのが支えになっているのかなと思います。あと、コロナ関連の重たい話だけじゃなく、日常のちょっとした話とかを、職場の人とか保育園の先生とかと気軽にできたのも支えになってたと思います。
里恵さん 私、今、フリーランスなんですけど、予定していた仕事もコロナで全部無くなって。「出産して、次は仕事復帰」という自分の人生設計がプツンと切れた気がして、ちょっと病んだんですよね。娘のイヤイヤ期とも重なって疲れ果てて…。でも、「きっと普通の生活が来るから、荒んでたらもったいない。子どもは子どもでストレス抱えながらも、ちゃんと生きてがんばってるのに、親が『はぁ~未来が見えん』とか言ってたら、だめだな」って。「その時間も人生の一部だから、大切にしないといけないんだろうな」という前向きな気持ちが支えは支えかな。
清水 そうか、状況にいら立っててもしょうがないんですね。
里恵さん 「じゃぁ、今の状況で何ができるか」と、切り替えてやってる人も周りにいるんですよね。児童センターの先生と、「人が集まるイベントがなかなか開けない」という話をしてて、「今までみたいなステージ発表はできないですけど、動画に撮って編集してナレーションつけるのはどうでしょう!?」って提案したことがありました。私も企画とか好きだし、自分の仕事を生かした協力の仕方があるだろうし、「今、子どもたちにしてあげられることを探す」っていう方向に気持ちを切り替えたいかなと思います。
清水 立派だなぁ。

 

【令和の時代に思う】 地域社会。フラットな見方。答えはないけど。

Yさん これまで話題はコロナが及ぼした影響の話でしたけど、「コロナによる環境の変化」という話題でいくと、私、運良く保育園に入れたんです。私の地域は、本来は全然入れない地域で、毎年4月早々には定員いっぱいになるので、「また来年」という状態が例年なんですが、今年たまたま空きがあったのは、コロナの影響かなと思います。

Kさん 私は、二人目を考えた時の状況が、もしコロナ禍じゃなかったら、「まだいいかな」とかリミットをぼんやりとしか考えずにいたと思うんですけど、コロナ禍だったから選択を迫って考えられたのかなと思います。やっぱり、コロナ禍で出生数が減っているのは周りの状況でも感じますし、おっきなことを言うと、子どもが減ると社会の活気もどんどんなくなっていくんちゃうかなと。確かに元気なシニアの方もたくさんいらっしゃいますけど、いろいろな世代がいないと地域はなかなか盛り上がっていかないでしょうし。何十年か先の地域が元気かどうかは自分の子どもにも関係してくることですし、「地域がこれからも元気でいられるかは、自分ごととして考えていかなあかん」と、今思っています。
清水 そうですね。なんとかする元気のあるうちに転換しないと、お金もマンパワーもなくなったら何もできないですよね。
Kさん こういう時代だから、子どもには、自分の考えを持って「これは正しい」「ちがう」っていうのを自分で考えて判断できる子になってほしいし、そうでなければ生き残っていけないのかなと思っています。
Yさん 子どもには「健康に育ってほしい」。私はその気持ちだけだったんですけど、「コロナ禍、偏見とかって本当に恐いな」と思ったので、これからのグローバルな時代に、「人種に対する偏見だけじゃなくて、どんな状況に置かれている人に対してもフラットな見方ができるようになってほしい」と感じています。それと、二人の話を聞いて、「私にはこんな考えは出てこないな」「すばらしいな」って思ったので、子どもには私の考え方に似ず(笑)、「自分たちで楽しいことを考えてみよう」と動ける子に育ってほしいです。
里恵さん このコロナ禍をきっかけに、生活も世界も変わって、今まで上手くいってたこともこれからは通用しないのかもしれないですね。私とかは古い考えの人間だから、子どもに同じような感覚を求めてもいけないのかなぁと思うし、子どもが「YouTuberになりたいと言う時代…新しい価値観を世の中が認めている時代になっていると思うから、「だから、これから、何が大事か」っていう答えはまだ見つからないけど、新しい世の中を生きていく力を一緒に育てていけるような親でもありたいな。

 

妊娠、出産、育児。どれも私は経験がないので、座談会の途中まで、「コロナ禍の妊婦はどれだけ大変だったか」と、ある種、妊婦や母親限定のエピソードだけを聞こう、切り取ろうとする意識が私のどこかにあったように思います。ですが、やはり、母としてだけではない一社会人としての悩みや発想があり、その解決のプロセスはそれぞれのキャリアと密接につながっているわけで、「母あるあるだけを強調するのは間違いなんじゃないか」と思い直しました。

「考えを転換させて行動に移せる、里恵さんの強さはどこから来るんだろう」と考えた時に、里恵さんの就活生時代の話 <就活1年目は受けたテレビ局全部落ちたものの、「自分には他の人にない良さが絶対にあるはず」と信じ、2年目に見事内定をゲット> を思い出しました。「だから、強いんだ」とは言いませんが、でも、強い“バネ”はきっと前からお持ちなんだろうなと。その“バネ”も、人によっては「逆境を力に変えるバネ」、「その時まで力を蓄えるバネ」「すぐに順応するバネ」、いろいろあるのでしょうし、どれが一番という話ではありません。

コロナ禍の不自由は経験になる。だけど、ただ受け身で過ごしている人と自分のバネでできることをしている人とでは経験値がちがう。そして、母たちは強い。でも、強いのはきっと「母であるから」だけではない。

取材・構成 兵庫県広報専門員 清水奈緒美

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