芸術、その先に

広報専門員の清水奈緒美が、
ひょうご障害者芸術文化活動支援センター支援員 ユニバーサル推進課 角田恵さんにお話を伺います。

 

ゼロからの運営なんで、もう大変ですよ・・

ひょうご障害者芸術文化活動支援センター”。勢いのある字が書かれた木版が掲げられているのは、本庁1号館3階。4月にできたばかりの機関だ。芸術文化活動を行う障害者のサポート拠点として、絵画や書道、造形、写真などを指導できる講師の確保や、事業所からの相談対応などを主に行う。同センターの支援員を務める角田さんは、「運営もゼロからなんで、もう大変ですよ!」と苦労をにじませながらも表情はにこやかだ。

 

なんていうのか、生きがいとか目標になる。でも課題も‥

昨年度まで角田さんは、障害者スポーツの支援に携わっていた。「スポーツの意義も芸術活動の意義も、同じなのかなと思います。社会との接点になったり、なんていうのか、生きがいとか目標になる」。なるほど。一方で、課題もあるそうだ。「ただ、障害者スポーツは指導者や審判も含め、競技を支える基盤が割と整ってきているんですが、こっちはこれからですね。まずは、指導者の登録数も20人くらいを目標に。今はスマホで手軽に写真を撮れる時代ですし、そういう講座があってもいいのかな」。角田さんの今一番の楽しみが、創作活動の現場を見ること。「『この作品、頭に筆を固定して描かれてたんかぁ』って、現場を見て初めて知ることもありますし、『こんな色づかいあるんやぁ』とか、とにかくいろんな驚きがありますよ」。

 

芸術、その先にあるものは‥

県では、平成17年から「障害者芸術・文化祭美術工芸作品公募展」を行っており、昨年度は400を超える作品が集まった。応募数は年々増えているという。

県議会ロビーで展示される障害者アート作品

実は、センターの看板を揮毫したのは、同祭で知事賞を受賞した濱名慶さん。その授賞式でのシーンが印象に残っていると角田さんは話す。「濱濱名さんのお母さんが『2年前に成人式を終えて、もうスーツを着ることはないかもなと思っていたんですが、こんな機会をいただけて…。ありがとうございました』。そんなことを言われて…。私、うるっときました」。

これから徐々に障害者アートは活発になっていくのだろう。芸術を“する”人が増え、県の、日本のアート界そのものが活発になっていくかもしれない。次の濱名さんが誕生し、「こんな作者さんがいるんだ」という出会いになるかもしれない。今、障害者との出会いは「あるところにしかない」ように私は感じるが、これから“作者と鑑賞者として”あるいは、“講師と受講者として”あるいは、“同じ芸術に携わる製作者として”、接点ができていくかもしれない。そうした、いろいろな扉としての可能性を芸術は秘めているだろう。

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